ホーム学術講習会>平成28年6月26日(日)定期学術講習会

平成28年6月26日(日)定期学術講習会

 平成28年6月26日(日)に開催されます定期学術講習会のご案内です。

定期学術講習会

講演内容

 日時:平成28年6月26日(日)13時00分〜17時00分
 場所:(公社)富山県鍼灸マッサージ師会会館 3階ホール
 演題:「「敗北の医学」の世紀を生きるために−日本の未来のために、鍼灸師に何が出来るか?−」
 講師:(公財)未来工学研究所主任研究員 小野 直哉先生
 講習料:1,000円
 生涯研修単位:医学教養5単位

 ※講習会開始時間が13時からになりますのでご注意下さい。

ご案内

謹啓

 会員各位におかれましては益々ご健勝のこととお喜び申し上げます

 さて、定期学術講習会を下記により開催いたします。

 今まで臨床に即した学術講習会を企画してまいりましたが、今回は業者団体としての講習会をしたいと考えました。

 超少子高齢化・人口減少の進む日本において、これからの医療はどうなってゆくのか?鍼灸師・マッサージ師はどう携わってゆけばよいのか?を勉強したいと思います。

 講師には明治鍼灸大学鍼灸学科を出られて、現在は(公財)未来工学研究所とゆう、いわゆるシンクタンクの主任研究員をされている小野直哉先生をお招きしました。

 また小野先生のご提案により講演終了後、※ワールドカフェ形式による座談会で会員同士話し合い講演の理解をより深めたいと思います。

 尚この講演はネット配信はいたしませんので、ご多用とは存じますがぜひ多数のご参加お願い申し上げます。

謹白

※ワールドカフェとは、その名のとおり『カフェ』のようなリラックスした雰囲気の中で、4人一組に分かれたテーブルで自由な対話を20〜30分行い、他のテーブルとメンバーをシャッフルして対話を続けることにより、参加した全員の意見を集めることができる対話手法の一つです。

講師プロフィール

小野直哉先生近影

【氏名】小野 直哉(おの なおや)

【出生地】福島県いわき市

【略歴】

 明治鍼灸大学(現明治国際医療大学)鍼灸学部鍼灸学科卒業後,明治鍼灸大学附属病院卒後研修生,京都大学大学院人間・環境学研究科研究生,京都大学大学院経済学研究科研究生,東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科医療経済学分野修士課程を経て,京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻博士後期課程在籍中に,(財)医療経済研究機構リサーチ・レジデント及び協力研究員,(財)先端医療振興財団クラスター推進センター科学技術コーディネーター,(特非)バイオグリッドセンター関西科学技術コーディネーター,同志社大学感情・ストレス・健康研究センター嘱託研究員,(財)未来工学研究所21世紀社会システム研究センター主任研究員等に従事.

 現在,(公財)未来工学研究所22世紀ライフェンスセンター主任研究員,明治国際医療大学非常勤講師,Senior Executive Research Fellow, International Institute of Health and Human Services, Berkeley (HIS Berkeley) U. S. A. .

【学会及び社会活動】

 (公社)全日本鍼灸学会諮問委員,(一社)日本統合医療学会理事,日本未来学会理事,(一社)エビデンスに基づく統合医療研究会(eBIM研究会)理事,(特非)フラガールズ甲子園理事.

【研究テーマ】

 ・“Glocal Life”の視点から,持続可能な社会におけるエコロジカルでサステナブルな医療・健康(Ecologically Sustainable Medicine/Health; Eco-Medicine/Health)を目的とした,伝統医学,相補・代替医療及び統合医療によるネットワーク・ケア,ヘルス・プロモーション,医療経済学的評価,各国間制度及び政策比較,災害対応(リジリエンスの高い地域社会創生のための地域包括ケアシステムにおける統合医療の活用).
 ・統合医療及びエンハンスメント(インターネットワーク化及びユビキタス化する社会とサイボーグ化する人間)による未来社会における健康・身体観,コミュニケーション,地域社会及び科学技術・経済・産業政策及び創出に関する未来社会戦略.
 ・伝統医学や相補・代替医療,統合医療に関する遺伝資源と伝統的知識の各国際機関や条約における動向把握,日本の伝統文化の保護及び伝統医学の標準化,知的財産化に伴う文化・知的資源戦略など.

要旨

【「敗北の医学」の世紀を生きるために−日本の未来のために、鍼灸師に何が出来るか?−】

 近代国家とは、兵力であり、労働力である国民による国民国家である。また、多子若齢・人口増大社会を前提とした、軍事国家であり、産業国家であり、福祉国家である。これら近代国家の三要素(軍事・産業・福祉)の共犯関係による国力の拡大成長を目指す国家統治形態が近代国家である。

 日本は、明治維新以降の近代国家建設に伴い、国民の生死を管理する術を内包した近代西洋医学を国家医学として導入し、正統医学とした。以後、約150年間、日本の鍼灸界(鍼灸師)は、近代西洋医学(医師)へのルサンチマンと劣等化に苛まれながら、正統医学(医療従事者)として認められる唯一の道かの様に、戦術としての鍼灸の科学(自然科学)化のみに邁進した歴史であった。それは、日本で鍼灸(鍼灸界・鍼灸師)の存在証明をするために、ある時代には必要であった。しかし、戦略としての鍼灸の科学(社会科学)化や思想としての鍼灸の科学(人文科学)化は等閑且つ御座成りにされた歴史でもあった。

 しかし、21世紀の現在、日本は、世界最先端の超少子高齢・人口減少社会を日々更新している。20世紀までの日本は多子若齢・人口増大社会で、患者は若く、「効率的」に「治す医療」が必要とされ、近代西洋医学が中心であった。しかし、超少子高齢・人口減少社会では、患者の多くは老いており、人は「生・老・病・死」を免れないのを前提に、「非効率的」な「傍らで見守る医療」が必要とされ、それが中心となる。前世紀の概念や価値観だけでは通じない、既に「医療」の枠組を超えた、治せない「敗北の医学」の世紀が現在の21世紀である。

 明治維新以降の約150年間で最も輝かしい、日本の鍼灸の未来は、真にこれからである。最も輝かしい日本の鍼灸の未来のためには、新たな日本の鍼灸文化が必要である。日本の鍼灸は、明治維新以降の約150年間、その最も苦しい経験から、自分らしくなる、今が正にその時である。日本の鍼灸の意味を創り出し、日本の鍼灸のアイデンティティを築く。日本の鍼灸の意味を創り出すことは、自らを変えることでもあり、日本の鍼灸のアイデンティティを築くことは、世界を変えることでもある。奇しくも、日本の鍼灸界(鍼灸師)は、自分らしくなるための時機を今世紀初頭に得たのである。時代と共に変化する日本社会の現実において、日本の鍼灸の未来とアイデンティティの示唆は、「鍼灸の機能的多様性」に在る。但し、それを現実にするかは、鍼灸師次第である。鍼灸師に大義はあるか?鍼灸師の大義は何か?鍼灸師は大義にChallenge(挑戦)しているか?鍼灸師にその自覚と覚悟はあるか?千載一遇の機会、今が真にその時である。

会員外の方の参加について

 ※本講習会は本会会員外の方も参加頂けます。

 ※事前申込みは不要ですが、必ず受付を行いご署名と参加費のお支払いをお願い致します。
  受付は会場となります3階ホール入って右手にて行って下ります。

 ※本講座は会員外の参加者も一律1000円のご負担にてご参加頂けます。

会場

〒930-0009 富山県富山市神通町1丁目2の6 電話 076-441-8986

※駐車場の台数が限られております。可能な限り公共交通機関でのご来場をお願い致します。