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会報137号(2016.7)2頁

 (公社)富山県鍼灸マッサージ師会による会報137号(2016.7)2頁です。

巻頭言

平成28年6月18日

 会長 中野邦雄

 富山県鍼灸マッサージ師会も公益社団法人に移行して、今年で3年になりました。

 昨年度も県民に役立つ公益事業として「県民公開講座」「学術講習会」「マッサージのボランティア」「全国ビーチボール大会や富山マラソンにおいて競技者に対するケア」に取り組みました。本年度も昨年と同様に行っていきたいと思いますので皆様の協力をお願いいたします。

 全日本鍼灸マッサージ師会におきましては医政局と月に一度、定期協議合同会議が行われ「あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう」の免許は国家資格で厚生労働大臣免許であることを表示ができることや、保健所長からの身分証を施術所に提示できるようになりました。また、4月1日に厚生労働大臣免許保有証が発行されました。これは施術者側からの要望で行われたものでなく、消費者センターから無資格者の事故の相談が増大したため、免許保有者と無資格者の区別が消費者には、分かりにくいという要望で実現したものです。

 このように以前に比べれば無資格者との差別化が図られるようになってきたことは喜ばしいことですが、本質から外れているような気がしてなりません。免許保有者が免許持っていますと表明することも大事ですが、無免許で行っている者を厳しく取り締まることが無資格者撲滅になるのではないかと思います。「無資格者を野放しにして、事故を起こさない限りは取り締まることができない」というスタンスが痛ましい事故(ベビーマッサージ死亡事故など)につながり、無資格業者を増大させてきました。
 いまや「リラクゼーション業」が日本標準分類産業分類に2016年4月1日に新設されるという事態になりました。「リラクゼーション」をネットで検索するとフリー百科辞典「ウィキぺディア」で「リラクゼーションセラピストがマッサージサービスを提供するリラクゼーション業(手技を用いるもの)」となっており、「マッサージではなくリラクゼーションだ」という言い訳は誰の目にもおかしくなってきました。短期間の研修で修了証を取得して施術を行うことは危険極まりないことです。是非「あん摩マッサージ指圧師」の国家試験免許を取得し、正々堂々と行っていただきたいと思います。総務省がこのような無資格者の業を産業部類に加え市民権を与えることには全く納得出来ません。

 昔から「もぐりの按摩さん」がおられました。しかし、現在このような一大産業になっても放置することは国民の生命安全にかかわることです。

 早期の改善を願いたいと思います。